その家には数々の人が住み、そして今は空き家となった。

もう、建てられてから半世紀。かといって、いわゆる『古民家』というものではなく、ごくありふれた戸建住宅である。空き家になって数年、それでもこの家に住んだ人たちが、見守ってきた。おそらく、世の中にはそんな「空き家」が数多く存在するかと思う。

日本には800万戸以上の空き家があり、その中でも山梨は空き家率が22パーセントを上回る状況だ。辺りを見回しても、住む人がいなく、そのまま残されている家は多い。どうにかしたくてもなかなか手付かずというのが、本音だろう。この家もまさに同じ状態に置かれていた。住む人がいなくなった家は、それでも固定資産税やらなんやら維持費用はかかる。いつか何かに使う、親族の誰かが住むとか、そのために空間が活用されていない。

ある人は言う。

『建物は使う人が居て生きる』

確かに、どんなに古い建物でも使う人がいる建物は、いきいきとしている。そんな中で世の中では、民泊が始まり、まずはこのスキームを活用させてもらいつつ、もっと地域に活用される『場』になればと願う。

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